しじみ情報局

しじみに含まれるビタミンE

1.しじみとビタミンE

私たちが良く知っている2枚貝と言えば、あさり、はまぐり、しじみの三つが代表格だと思います。その中でも大きさとしてはもっとも小さなのがしじみです。しかし、しじみの中にはいろいろな栄養素が詰まっているのです。例えば、あさりと比較するとしじみのエネルギーはあさりよりも大きく、含まれている栄養分を見るとカルシウムやビタミンB12、ビタミンE、ビタミンB2ではあさりよりも多くの含有量を誇っています。

100gあたりに含まれる栄養素の比較
エネルギー カルシウム ビタミンB12 ビタミンE ビタミンB2
しじみ 51cal 130㎎ 62.4μg 1.7㎎ 0.25㎎
あさり 30cal 66㎎ 52.4μg 0.4㎎ 0.16㎎

しじみ100gあたり、ビタミンEは1.7mgほど含まれています。あさりは0.4mgですので、しじみはあさりの4倍程度の含有量があります。他にビタミンEが多く含まれる食材としてはひまわり油やべにばな油などの油脂類があげられます。また、アーモンドやヘーゼルナッツといった種実類にも多く含まれています。魚類ではアユやにじます、ウナギなどがビタミンEを多く含んでいます。しじみに含まれるビタミンEの量はこれらに比べると多くはないので、メインの食材とはなりませんがしじみの味噌汁や佃煮などで補助食材としては十分に機能する量が含まれています。ここでは、しじみに含まれるビタミンEの効能について考えてみます。


2.ビタミンEの働き

しじみに含まれているビタミンEは抗酸化作用を持っています。人間の細胞は酸素を取り込んで様々な代謝活動を行う過程において一部の酸素が活性酸素となって健常な細胞を攻撃してしまうことがあるのです。この活性酸素が細胞を覆っている膜を酸化することによって老化が進行し、場合によっては細胞をガン化してしまうことがあります。ビタミンEはこのような活性酸素が近づいたときに自分の電子を渡すことで攻撃性を無くす効果があるのです。

2-1.老化防止
特にお肌の老化に影響するのは活性酸素です。ビタミンEが持つ抗酸化作用が細胞の酸化を防ぎ、結果的にシミやシワなどの肌の老化防止に役立ちます。

2-2.動脈硬化の予防
コレステロールは細胞を覆っている膜をつくるのに欠かせない物質です。コレステロールと聞くといいイメージを持たれていないかもしれませんが、健康維持には欠かせない物質なのです。しかし、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLは、活性酸素と出会うと酸化LDLとなり動脈硬化を起こす原因となるのです。
ビタミンEは増えすぎたLDLが活性酸素によって酸化することを防ぐ効果があるので動脈硬化を予防することができるのです。

2-3.血流促進効果
血流が不足する原因の一つに血管の収縮があります。血管を収縮させたり拡張させたりするのは自律神経の役割です。ビタミンEはこの自律神経に働きかけて血管を収縮させる神経伝達物質が生成されることを抑制する働きがあるのです。
血流が促進することで、肩こりや冷え性などの症状が改善します。


3.摂取量と摂取の方法について

ビタミンEの一日の基準摂取量は成人男性では6.5mg、女性では6.0mgとされています。また、ここまでは摂取しても問題はないとされる上限量は成人男性では800mg/日、女性では650㎎/日とされています。
しじみの味噌汁一杯で摂取するビタミンEの量は2.2㎎程度です。従ってしじみの味噌汁だけで基準摂取量を摂取しようとするとしじみの味噌汁では3杯程度になりますね。朝、昼、晩と飲むといいかと思います。しかし、朝一杯のしじみの味噌汁であっても、ビタミンEを摂取するのは油脂類や魚、ナッツ類だとすれば十分ではないでしょうか?
では、ビタミンEを過剰に摂取してしまうとどうなるのでしょうか?これまではビタミンEの過剰摂取による弊害は報告されていませんでした。しかし、近年ではサプリメントとして手軽に摂取できるようになったためにビタミンEの過剰摂取にも注意する必要が出てきました。ビタミンEの過剰摂取による弊害には、吐き気や下痢症状、そして肝機能の低下などが考えられます。また、出血の際に血液が固まりにくくなることが予想されますので、血液凝固剤を服用されている方は注意が必要です。さらにはビタミンEを過剰に摂取することで骨粗しょう症になりやすくなるという結果も報告されています。しじみだけでビタミンEを摂取される方は過剰摂取になる可能性はほとんどないと言えますが、他の食材からもビタミンEはもっと多く摂取できます。意識してビタミンEの過剰摂取とならないように注意しましょう。

4. まとめ
しじみと言えば二日酔い、あるいは小さな体に豊富な栄養素といったイメージが強く、ビタミンEが豊富だというイメージが思い浮かぶ方は少ないのではないかと思います。またビタミンEの効果を期待するためにはビタミンAやCと一緒に摂取することがより効果的とされています。過剰摂取には注意しながらも、油でいためた緑黄色野菜などと一緒に食することで、食を楽しみながらビタミンEによる健康維持に努めましょう。

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