しじみ情報局

しじみの摂取制限がある場合とは

1.しじみの効能について

しじみは昔から肝臓に効くとして日本人にはよく知られています。とりわけ、お酒を良く飲まれる方にとっては二日酔いから早く回復できることから愛用されています。その理由はしじみに含まれるオルニチンが肝機能に良いことがあげられます。オルニチンは血液中のアルコール濃度の上昇を抑えるばかりではなく、有毒物質であるアンモニアを解毒できるので肝臓へのダメージをやわらげて肝機能を強化するのです。オルニチンを含有する量が他の食物に比べて格段に多いため肝機能向上に良い食品とされています。また、圧倒的に多いということではありませんがタウリンも含まれています。このタウリンも肝細胞の再生や胆汁の分泌を促して肝臓の働きを促進します。しじみには鉄分も含まれます。この鉄分は血液中において、酸素を運ぶために必要なヘモグロビンを生成するために必要となるものです。ヘモグロビンが減少すると体内への酸素供給が少なくなるため、身体がだるくなるとか疲れやすいなどといった症状が起こりやすくなります。


2.しじみの摂取制限

しじみには肝機能向上に必要な成分が含まれています。また、ヘモグロビン生成に必要な鉄分も含まれているため、貧血にも効果がある食品なのです。しかし、この鉄分は過剰に摂取すると逆に肝機能に障害をきたす可能性があります。肝臓に過剰に蓄積された鉄分が活性酸素を発生してしまうからです。活性酸素には強い酸化力があるので、その増加は細胞を劣化させることに繋がります。このため、肝硬変などの肝疾患があり、鉄分を摂取することに制限がある方には悪影響となることが懸念されます。しじみに含まれている鉄分は100gあたり5.3mgです。そして、肝疾患がある方にはその摂取量が1日あたり6mg以下になるように指導されることが多いようです。また、2015年に厚生労働省がまとめた日本人の食事摂取基準に定められた鉄分の摂取量基準は男性の場合18-29歳で7mg、30-69歳で7.5mg、女性の場合は、月経のある方は15-69歳で10.5mgとされています。このように、肝疾患の無い方でも前期の摂取基準に従って摂取することが肝心です。しじみの味噌汁で使用されるしじみの量は一杯あたり、50g-80g程度とされていて、個人で作られる方が少し多めに作られる時には100gくらいは使うこともあるかも知れない量であることを認識しておきましょう。肝疾患のある方でもしじみの味噌汁を一杯程度ならいいかもと思われるかもしれませんが、鉄分は比較的他の食品からも摂取しやすい成分なのです。他の食品から摂取する鉄分も含めてこの基準値を守ることが必要です。しじみ以外での摂取量が確認できない場合はしじみを摂取することは控えた方がいいでしょう。また、ビタミンCは鉄の吸収を助ける役割があるので、ビタミンCを多く含む果物などと一緒にしじみを食することは控えましょう。


3.しじみの摂取制限がある場合の対応

しじみには肝機能向上に効果のあるオルニチンが含まれている一方で肝疾患がある場合には摂取が制限される鉄分も含まれています。鉄分の摂取を抑えてくれるカフェインやタンニンを含むお茶と一緒に摂取することで鉄分の吸収を抑えることができます。
しじみエキスと呼ばれるサプリメントにも鉄分が含まれています。オルニチンだけの効果を期待する方にはしじみ由来ではないオルニチンサプリメントを使用することを検討してみてください。


4.まとめ

このように肝機能向上にオルニチンの効果を期待したいしじみですが、すでに肝疾患を持っている方にはしじみに含まれる鉄分が悪影響を及ぼすことがあります。また、健常者の方でも鉄分の過剰摂取は肝臓にダメージを与える可能性があります。鉄分は、しじみ以外の食材からでも摂取しやすい栄養素です。ご自身で鉄分の摂取量がコントロールできない方には鉄分を含まない、しじみ由来ではないオルニチンサプリメントの使用も考えましょう。

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