しじみに含まれる亜鉛
1.しじみと亜鉛
しじみは小さな2枚貝です。しかし、その中にはいろいろな栄養素が詰まっているのです。例えば、エネルギーはあさりよりも大きく、カルシウムやビタミンB12、そして鉄分や亜鉛もあさりよりも多くの含有量を誇っています。
エネルギー | カルシウム | ビタミンB12 | 鉄 | 亜鉛 | |
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しじみ | 51cal | 130㎎ | 62.4μg | 5.3㎎ | 2.1㎎ |
あさり | 30cal | 66㎎ | 52.4μg | 3.8㎎ | 1㎎ |
ここでは、しじみに含まれる亜鉛の効能について考えてみました。
2.亜鉛の働き
亜鉛は摂取過剰になると中毒症状を引き起こす可能性がありますが、不足すると欠乏症状として貧血になったり甲状腺に異常をきたしたりします。特に女性にとっては新陳代謝が悪くなることで肌質が悪くなったり、月経に悪影響を及ぼしたりするので要注意です。男性にとっても脱毛や生殖器に影響が出るといわれており、亜鉛の不足には注意して日頃の食生活に気をつける必要があります。また身体の免疫力を向上し、味覚を正常に保つためにも必要な栄養素が亜鉛なのです。さらにイライラを抑える効果も確認されていて、神経細胞に働きかけて心を整えることができるのです。
3.必要な亜鉛の摂取量について
亜鉛は人間の体内には約2g存在しています。この2gという亜鉛の量でDNAやたん白質の合成に関与し、免疫機能に働きかけて糖の代謝を助けてインシュリンの合成のために重要な役割を果たしています。また2gという量は鉄分の所要量の半分くらいで、亜鉛の場合は鉄よりも尿として排出される量が多いことが知られています。このようなことを踏まえての必要な一日の摂取量は男性では15歳~17歳でピークに達して約10mgが、女性では12歳から14歳でピークとなり約8mgが適量とされています。また妊婦さんや授乳婦さんの場合には必要摂取量が1~3mg程度付加されることになります。
4.より効果を高めるために
亜鉛の含有量が多い食材としては牡蠣があげられます。その含有量は100g当たりで13.2mgとされています。これに比べて、しじみの場合は100gあたりで2.1mgとかなり少ない値となっています。
しかし、しじみは比較的安価に手に入る食材で調理もしやすく、亜鉛以外にも有効な成分を多く含んでいますので多くの栄養素を同時に摂取できるというメリットがあります。
また、牡蠣に関していえば、食すことができる時期が限られていることもあり、定期的に食することが調理方法を考えても難しい状況にあるといえます。含有量はそれほど多くはなくてもしじみは定期的に多くの栄養素を摂取する方法としては優れているといえます。
5.まとめ
亜鉛は身体に必要なミネラルのひとつですが、摂りすぎると貧血や免疫機能の低下やコレステロールや糖代謝の異常、白血球の減少などを引き起こす可能性があります。一日の摂取量の上限である30mgを超えないように摂取する必要があります。牡蠣やレバーよりも亜鉛の含有量が少ないしじみですが、定期的に手軽に他の栄養素と併せて摂取することには適しています。摂りすぎには注意しながらも、時には牡蠣やレバーで補給するなどしながら摂取量をコントロールすることが大切です。