しじみ情報局

しじみの旨味成分

1.はじめに

しじみにはいろんな栄養素が含まれています。よく知られているのはオルニチンで特にお酒を飲む機会が多い方には二日酔いを緩和するためや、肝機能の向上に効果があります。また、その食し方としてのしじみの味噌汁は良く知られていることと思います。またしじみと同様にあさりの味噌汁もおいしいことで知られています。貝のお味噌汁はおいしいことで知られていますが、その旨味はどこからくるのでしょうか?ここではその旨味の秘密について調べてみました。


2.しじみの旨味成分について

2-1.旨味とは?
日本では昔から料理には昆布だしといったように経験的に「おいしさの元」が昆布には含まれていることを知っていました。その昆布から抽出したグルタミン酸がその「おいしさの元」であると発見されたのは1908年のことでした。厳密には「おいしさ」と「旨味」は異なるもので、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味と分けられる基本味を構成する一つの要素です。この旨味は料理のおいしさを生み出すまさしく「元」なのです。

2-2.しじみの旨味成分
しじみやあさりなどの二枚貝に多く含まれている旨味成分はコハク酸と呼ばれているものです。またしじみには昆布の旨味成分であるグルタミン酸も含まれています。しじみの味噌汁がおいしいのはこのコハク酸とグルタミン酸という旨味成分によるものです。これらの旨味成分は「おいしさ」を演出するだけではなく、身体的のみならず精神的な効果も期待できるものなのです。

2-3.コハク酸の効果
コハク酸は癌細胞の増殖を抑制することを目的とした医薬品に使われることもあります。コハク酸は酸素を作り出すので筋肉疲労の回復に効果があります。また、エネルギーの代謝が良くなり血行不良の予防や改善効果が期待できます。肌を引き締める効果もあって、ニキビや肌荒れの予防やシミ・そばかすに対する効果もあります。このようにコハク酸は身体の代謝をよくすることによる様々な効果が期待できるものです。

2-4.グルタミン酸の効果
グルタミン酸は神経系に影響するアミノ酸として精神的な効果が期待できます。グルタミン酸は脳に多く含まれているアミノ酸ですので、脳神経細胞のエネルギー源となってイライラや不安を和らげる効果があります。また、脳の働きを活発にして集中力をアップする効果が期待できます。また、体内で発生した有害なアンモニアをグルタミンという無害な物質に変えることでアンモニアを除去することができます。

このようにコハク酸とグルタミン酸の両方の旨味成分を持つことで身体の健康と心の健康を維持することができるのです。


3.しじみの旨味を引き出すには

しじみの旨味をもっと引き出す方法としてここではしじみの砂抜きの方法とその保存方法について考えてみます。

3-1.砂抜きの方法で旨味を引き出す
砂抜きに際しては真水を使用せずに塩分濃度1%程度の塩水を使用することがポイントです。しじみは汽水域に生息しており、その塩分濃度は0.3%程度といわれています。これまでの生活環境よりも厳しい環境においてやることで刺激となって旨味成分であるコハク酸を増加させることになります。逆に、砂抜きに真水を使うとこの旨味成分であるコハク酸が流れ出てしまうことになってしまうのです。

3-2.冷凍保存で旨味を引き出す
砂抜きが終わった後に冷凍保存することでコハク酸やグルタミン酸が増えるのです。冷凍保存することによってしじみの細胞が破壊されることによる刺激によってコハク酸やグルタミン酸が増加するのです。併せてオルニチンの量も増えることが確認されていますので、健康上にもさらに効果があることが期待できます。冷凍保存した場合にはその保存期間には気をつけましょう。おいしく食べることができる期間は約3ヶ月です。また使用する際には解凍せずにそのまま使用することができます。
しじみをおいしく食べられるレシピを載せておきます。
http://www.mariahpower.com/005.html
こちらで紹介されているのはしじみの佃煮です。
しじみ料理といえば「味噌汁」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、佃煮もおいしくておすすめの食べ方です。


4.まとめ

しじみの旨味をつかさどるのはコハク酸とグルタミン酸です。これらの旨味成分は砂抜きの際に1%程度の塩水を使うことや砂抜きの後に冷凍保存することでさらに旨味を増し、健康に良い成分であるオルニチンの量も増やすことができます。また冷凍保存することで長期間の保存が可能となり、しかも使用する際には解凍せずに使うことができます。このようにしじみの調理方法や保存方法を工夫することで手軽で美味しい健康維持に努めましょう。

ページのトップへ戻る