しじみ情報局

しじみの成長過程

1.しじみの種類

しじみというのは、淡水域や汽水域に生息する小さな二枚貝です。
淡水とは塩分濃度が低い水、すなわち真水とよばれるような水のことで、流れる川や湖の水を指すことが多いようです。また、汽水というのはこの淡水と海水が混在した状態の水のことを指します。
また二枚貝とは、上下でそれぞれの貝殻を持っている貝の総称となります。
このようなしじみですが、日本で採取できるものとしては、ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミの3つが主なものなの一般的にしじみというとヤマトシジミのことを指します。


2.シジミの生息場所

ヤマトシジミは体長が3センチ前後で、汽水域に生息しており、主な生息地は島根県の宍道湖、青森県の十三湖や十和田湖などです。
マシジミの体長はヤマトシジミより少し大きい3~4cm程度で、淡水域の中でも河川の中流から上流に生息しています。
セタシジミは琵琶湖にだけ生息するしじみで、他のしじみは夏場に旬を迎えますがセタシジミの旬は冬場なのです。
マシジミやセタシジミは一般の市場に出回ることはほとんどありません。


3.シジミの成長過程

(1)ヤマトシジミ
【産卵~幼生期】
ヤマトシジミには雄と雌があります。その区別は殻を開けてみることでできます。産卵時期である6月~9月になると、雄の身は色が白っぽく、雌の身は黒っぽくなります。このように雄の身の白っぽさは身体の中で精巣が発達していることを示しています。また、雌の身の黒っぽさは卵ができている証拠なのです。ヤマトシジミの雄と雌は6~9月頃にそれぞれ精子と卵子を水中に放出することで受精卵ができます。水中で受精した卵は分割を繰り返して幼生と呼ばれる状態になります。幼生というのは成体と異なる形をしていることを意味します。この幼生期には10日程度水中を浮遊することになりますが、ここで魚に捕食されたりするので数が減少することになります。
【着底生活】
幼生期の次は稚貝となって湖底に沈んで着底します。この時期にはプランクトンや有機混濁物などを食べて成長していきます。この時、水温が12.5℃以下になると成長が遅くなります。
【成長】
ヤマトシジミは時間をかけてゆっくりと成長します。貝殻の横幅が漁獲できる殻長である17ミリ以上になるまでには2年以上もかかることになります。成長の目安としては、4カ月で0.1センチ、3年で2センチ、5年で2.5センチほどになります。ただし、生息する環境によって成長の早さは異なります。ヤマトシジミが最もよく成長するのは水温が20~25°C程度の時期で、季節としては春か秋になります。また漁獲されずに成長を続けると5センチ程度になる場合もあります。しじみの寿命は明確ではありませんが、推定では10年以上と考えられています。

(2)マシジミ
マシジミは春から秋にかけて複数回産卵します。マシジミはヤマトシジミと違って雌雄同体で、体内に精子と卵子の両方を持っています。日の出後および日没前に産卵が行われ、親貝の中で受精卵が保育され孵化されます。孵化された幼生は約5日で体外へ出ていきます。この幼生は砂泥中にもぐって生活するのです。

(3)セタシジミ
セタシジミは春から夏にかけて産卵する雌雄異体の貝です。水温が20℃以上あると3-4日程度で孵化し、1年で1cm程度の成長を遂げます。


4.まとめ

ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミともそれぞれの成長過程を持っています。産卵時期も春から秋までと広範囲に及ぶことから私たちはほぼ1年間を通じてしじみの効果を享受することが可能な状態にあるのです。鉄分も多く含まれることから、肝機能障害を持たれている方には摂取制限がかかることもありますので過剰摂取とならないように注意しましょう。

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