しじみ情報局

しじみに含まれる鉄分

1.しじみと鉄分

しじみは小さな2枚貝です。しかし、その中にはいろいろな栄養素が詰まっているのです。例えば、エネルギーはあさりよりも大きく、カルシウムやビタミンB12、そして亜鉛や鉄分もあさりよりも多くの含有量を誇っています。

100gあたりに含まれる栄養素の比較
エネルギー カルシウム ビタミンB12 亜鉛
しじみ 51cal 130㎎ 62.4μg 2.1㎎ 5.3㎎
あさり 30cal 66㎎ 52.4μg 1㎎ 3.8㎎

ここでは、しじみに含まれる鉄分の効能について考えてみます。


2.鉄分の働き

体内に存在する鉄分は約3~4gで、その約70%が赤血球を形成するヘモグロビンの成分となっています。また約25%は肝臓などに貯蔵されています。ヘモグロビンは体内に取り込まれた酸素と結びついて酸素を体中に運ぶという大切な役割を果たしています。鉄は全身の細胞内にも存在しています。ここで細胞の活性化が行われることで細胞が血液から効率よく鉄分を吸収することができるようになり全身の健康を保つことができるのです。従って、鉄分をより吸収しやすくするためには細胞を活性化する栄養素が十分に供給されることも必要となるのです。また鉄分が不足すると貧血を起こしやすくなります。貧血になると立ち眩みを起こしたり、手の爪に横線が入ったり、爪全体がスプーン状に変形することもあります。また、顔色がすぐれなくなり白髪が増えるというような現象も起きます。しかし、貧血には鉄分の不足以外にも胃腸の出血や栄養失調を起こしていることが原因となっている場合もありますので、注意が必要です。また鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は身体に吸収されやすいものですが、非ヘム鉄は身体に吸収される率が低いものとなります。


3.必要な鉄分の摂取量について

しじみに含まれる鉄分の含有量は100gあたりで5.3㎎となっています。また鉄分の必要摂取量は一日あたり男性では12歳~14歳がピークで11.5mg、女性では10歳-11歳がピークで14㎎(月経のある方)とされています。また妊婦さんや授乳婦さんでは2.5~15㎎を付加することが必要とされています。
また、鉄分を摂取できる食材としてはレバーや魚、大豆や緑黄色野菜、海藻などがあります。また鉄分の種類から見ると肉や魚、レバーなどの動物性食品はヘム鉄で、野菜や海藻、大豆など植物性食品に含まれるのは非ヘム鉄なのです。しじみは動物性食品ですから鉄分を吸収しやすいヘム鉄に分類されます。


4.より効果を高めるために

しじみに含まれる分量だけでは一日に摂取する必要のある量を賄うことは困難なことかもしれません。鉄分を含む他の食材と組み合わせることで効率よく摂取することを考えましょう。豚や鶏のレバーや卵黄や緑黄色野菜などと一緒に摂取することを考えるのは大切なことなのです。この時にはその食材に含まれる鉄分の種類がヘム鉄か非ヘム鉄かを確認して、非ヘム鉄の場合は効率よく摂取できる組合せを考えましょう。


5.まとめ

貧血の症状の方は、鉄分だけではなくビタミンB12や葉酸などを意識して摂取しなければなりません。必要な鉄分の量がしじみだけでは十分摂れないにしても、しじみには先ほどのビタミンB12などが含まれているのです。必要な栄養素を多く含むしじみを中心として摂取することを考えることはトータルとして貧血に対して良い効果をもたらすのです。またしじみからの摂取を定期的に続けることが難しい場合には、しじみエキスを用いながらうまく鉄分を摂取するように心がけましょう。

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